離婚をするときに夫婦二人で築いてきた財産を分けることを財産分与と言います。そこで気になるのが分けるときに、税金がかかるのかという点です。財産分与をする際には分与を受ける側と分与する側にかかる税金などがあるため、その違いなどを知っておくことで節税することができます。

財産分与で発生する税金について

基本的に財産分与は、夫婦の財産の清算をするということですので税金はかからないとされています。財産分与義務に基づいて、離婚後の生活保障給付という意味もあるためです。

ただし、不動産の売却・株式や有価証券・高額な美術品などを売った場合には、財産分与で発生する税金を支払う必要が出てきます。特に問題なのが不動産売却の際に財産分与で発生する税金で、さまざまな課税が課されます。

発生する税金としては、財産分与する側にかかる譲渡所得税・不動産登記のための登録免許税・不動産の固定資産税が挙げられます。分与を受ける側と分与する側の税金があって、その種類を知っておくことでスムーズに支払いができます。

分与する側の譲渡所得税は、得られる利益に対して課せられます。売却しなくても課税する必要があるため注意が必要です。登録免許税は不動産の所有権を登記する場合に支払い、固定資産税は翌年から受け取った側が支払う必要がある税金になります。

分与を受ける側と分与する側の税金を節約するには

分与を受ける側と分与する側の税金の両方に税金が発生しますが、節税方法もあります。不動産を売却した際に3000万円までであれば、3000万円特別控除という制度を利用できます。

この節税方法を利用すれば購入した時に3000万円の住宅が、売却時3500万円以上に値上がりしていた時には課税所得500万円となるため、譲渡益は3000万円以下に収まることで特別控除を受けられます。

適応条件はマンションや一戸建てなどの居住用財産であることと、売却先が夫婦や親族ではないことが挙げられます。

節税方法の中には、軽減税率の特例というものもあります。居住用不動産の所有期間が10を超えている場合は、この特例が適応されます。所得税や住民税の税率を抑えることができ、節税に繋がります。

他にも、配偶者控除を利用するのも良いとされています。20年以上婚姻関係を続けていると、居住用財産を譲渡する際に最高で2110万円分は課税されないという仕組みです。

婚姻しているうちに2110万円を贈与し、それ以外を離婚後に贈与するという方法であれば節税することが可能です。

注意点を知った上で節税することが重要

節税方法はいくつかありますが、重要なのは事前に譲渡益で発生する税金はどれぐらいかかるのか、特別控除の適用は範囲はどれぐらいかなどを知っておく必要があります。事前に調べておくことで、財産分与をスムーズに進められます。