相続をした不動産を大切に所有するのも良いですが、扱いに困っている時には思い切って手放すのもひとつの選択肢です。ここでは売却のメリットと相続した物件の売却手続きや、気になりがちな節税方法などについて解説を行っていきます。
売却のメリットと相続した物件の売却手続きを知ろう
相続不動産を売却するメリット、ひとつは維持をするためのコストが掛からなくなることです。もしも特定空き家に指定をされると過料が発生する可能性がありますし、建物のメンテナンスに手間も費用も掛かります。扱いに持て余す上に経済的負担になることから、売却をして手放すというケースは年々、増加傾向にあるのです。
また、現金化をすることで、相続人同士で簡単に遺産分割をすることができるのもメリットと言えるでしょう。そのほか、空き家を放置することによって生じ得る、近隣住民とのトラブル回避になるのもポイントです。
続いて売却のポイントと流れですが、基本的には早めがおすすめと言えます。築20年ほどで価値はほぼ失われ、早く処分をすれば良かったと後悔をしかねません。名義変更をしていない場合は、こちらも早めに済ませておくことが推奨されます。
相続登記と呼ばれる作業ですが、名義人でなければ不動産売却はできませんので、司法書士に依頼をするなりして確実に手続きを行っておきましょう。
どんな節税方法があるのかを把握しておこう
売却のポイントと流れに続き、節税方法も把握しておくことが大切です。不動産売却に伴い課税が生じますが、これは遺産総額から基礎控除を差し引いた価額がベースとなります。そして基礎控除は法定相続人の人数によって相違があり、相続人の人数が多いほど基礎控除も大きくなるのが特徴です。
不動産売却に伴い利益が生じた場合は、譲渡所得を支払う必要があります。この際に利用できる特例もあり、その内のひとつが3,000万円特別控除です。これは課税譲渡所得から最大で3,000万円の控除を受けられるというもので、所得期間問わず適用されます。
所有期間によって譲渡所得の税率が変化することも知っておきましょう。5年以下の所有は短期譲渡所得と呼ばれ、5年超の場合は長期譲渡所得と呼ばれます。税率に関しては前者の方が高い設定のため、5年を超えてから売却をすることで節税効果に期待することができます。
ただ注意をしたいのが、取得費加算と呼ばれる特例を利用する場合ですと、3年10ヶ月以内での売却が必要となりますので、どちらの方が節税効果が高いのか比較をして判断しましょう。
専門家に相談をすることも検討しよう
売却のメリットと相続した物件の売却手続きをはじめ、売却のポイントと流れ、そして節税関係について触れてきましたが、複雑で分かりにくいところもあるものです。最適な売却タイミングを逸しないためにも、専門家からのアドバイスも交えて適切な判断を下しましょう。